光電管は {光電管・光・電流}

光の強さを電気量に変換する電子管。

物体に光を照射すると電子を放出する外部光電効果を利用したもので、光が照射されてから100分の1マイクロ秒以下で光陰極から放出される電子を陽極で集め、電流として取り出す二極管である。

光陰極とは光電子放出と陰極の作用をあわせてもつもので、光電子放出の作用を主としてみるときは光電面という。

外部光電効果は1888年ドイツの物理学者ハルバックスによって発見されたので、ハルバックス効果ともよばれるが、これを用いて1910年ころにドイツのエルスターJ. Pらがさまざまな光電管をつくり「総放出電子量は入射光量に比例」することを認めてから実用されるようになった。

外部光電効果では、それぞれの物質に特有な限界波長があり、それより短い波長でなければ光電効果がおきない。

したがって、電子の流れである光電流は、限界波長で決まり、さらに光電面の材料および処理によって著しく変化する。

アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、可視光線の領域で光電感度があり、初期にはこれを水素、酸素、水蒸気、ベンゼンなどで処理して用いていたが、今日では複合陰極を用いている。

おもなものはアルカリ酸化物陰極で、これは下地金属の表面を酸化し、その上にアルカリ金属の薄膜を付着させる。

この場合、アルカリ金属は下地金属を還元してアルカリ金属酸化層をつくるとともに、表面に数原子層の厚みのアルカリ金属が残る。

この種の陰極はアルカリ金属陰極などに比べて限界波長の範囲が広く、広い光波長領域で高感度のものが得られる。

たとえば銀・酸化セシウム・セシウム複合陰極などは、多くの目的に利用されている。

光電面は、ガラス管球の内面に付着したものと、金属板の陰極を封入するものとがある。

ガラスは普通軟質ガラスを用いるが、紫外線用には透明石英とか紫外線用ガラスを用いる。

光電管には、管内を真空にした真空光電管と、ガス入り光電管とがある。

真空光電管では、入射光束と光電流とがほぼ直線の関係が得られ、これと二次電子放射陰極を配置することで、高感度を得る光電子増倍管も構成される。

ガス入り光電管は、普通アルゴンガスを1000分の1気圧程度封入し、封入ガスのイオン化電圧以上の陽極電圧をかけ、10~100倍の感度のものが得られる。

光電流は陽極電圧を増すと増加するが、入射光束とは直線関係はない。

光電管は種々な光測定に用いられるが、ラマン分光やニュートリノの検出など微弱光の測定に偉力を発揮する。
update:2010年02月20日